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イベント・レポート2012年6月4日(月) 「リオ+20直前シンポジウム 未来を創るグリーン経済」での3人の子ども達のスピーチの様子はこちらから。

「リオ+20」ジャパンパビリオンのセミナーにて子ども達のメッセージが伝えられました。

2012年6月20日(水)~22日(金)までの3日間、ブラジル・リオデジャネイロにおいて「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」が開催されました。リオ+20に合わせて6月13日から24日の12日間にわたり、ジャパンパビリオンが設置され、同パビリオンのセミナーにて、子ども達のスピーチの様子が取り上げられ「未来の大人」たちの想いが伝えられました。セミナーの様子は動画をご覧ください。

当日のスピーチの様子

RIO+20 NGO準備委員会の熊沢さんスピーチ

リオデジャネイロに開設されたジャパンパビリオンでの熊沢さんのスピーチです。
子ども達のスピーチの様子を取り上げ「未来の大人」たちの想いを語ってくれました。



発表いただいた熊沢直美氏(地球サミット2012 Japan 副代表)からのコメント

大人たちは、未来をどうやって決めているのでしょうか。
子どもたちは、望む未来をどうやって実現できるのでしょうか。

リオ+20で、世界の持続可能な開発について会議を行った大人たちは、例えばお父さんやお母さんが子どもの名前を決めるように、あるいは先生たちが受験の問題を決めるのと同じように、話し合って合意をしました。
子どもは、大人が決めごとをするときに、どうしても実現したいことがある時にどうするのでしょうか。残念ながら、国連の話し合いの場で、子どもの意見を大人と平等に聞くというルールはありません。それでも望むことがあれば、みなさんはそれを訴え続けるのではないでしょうか。発言し続けること、またそれによって話し合いの機会をつかむことが、リオ+20の会議の場に集まっていた若者たちが行ったことです。

もう一歩すすんで、大人たちは未来をどうやってつくっているのかを考えてみます。

リオ+20に集まった3万人の人が未来をつくるのでしょうか。そんなことはありません。国際会議で話し合っている人は、世界の様々な立場の人を代表してルールづくりをします。みなさんの身近な大人たちを代表して、日本の政府の人や、企業の人、女性団体の人などがいます。この国際会議の仕組みは、まだ70年弱の歴史しかなく発展途上です。今年開催されたリオ+20は、経済低迷そして新興国の成長など複雑な政治状況の中、その話し合いから合意を得る難しさを大人たちが再認識した機会でもありました。

地球の未来をつくるのは、世界中のすべての人です。このことに大人や子どもの差別はありません。子どもが希望する未来を否定することは大人にはできません。しかし、大人が地球の資源を消費し、社会に格差を残し、未来から選択肢を奪っているかもしれないということは、大人も子どもも気づいています。そのことを大人に訴え、話し合おうとし続けることは、未来を保障するために大切です。
また一方で国連とは別の切り口で、新しいグローバルな仕組みをつくりだすことも、望む未来を実現するために有効な方法です。今のインターネットサービスを作っている人たちは、20年前の地球サミットの時にはみなさんの年齢だった人が多く活躍しています。国連の仕組みをつかわずに、それまでの想像できなかったほど多くの人をグローバルにつなげる仕組みを生み出すことに成功しています。

ブラジルで開催された日本パビリオンや交渉会議の会場にて、Kids Initiativeの文書を「日本の子ども達による”私たちの望む未来”です。」と差し出した時、世界中の人が関心を持って受け取り中身を読んでいました。会議中には見られない、なにかに期待して子どものメッセージを覗き込む大人たちの表情がそこにはありました。「すべてを知っていると言えるほど、私は若くない。」という言葉があります。大人たちは、今の社会であたりまえだということを知れば知るほど、あたりまえのことに疑問を持ち、変えようとする強さを持てなくなっているのかもしれません。

今年の国連の会議のテーマ「私たちの望む未来」というタイトルで、みなさんに作文を書いてもらいました。実は国連がいま世界で改めて未来について対話する必要があると発信したことは大きな転機を示しているのかもしれません。過去および現在について学び、未来をつくる。その意味で、1992年に国連の会議で発言した当時12歳のセヴァン・スズキという少女の言葉と、インターネットの父と呼ばれるエンジニアのアラン・ケイ氏の言葉を紹介します。みなさんの望む未来が叶いますように。

「どう直すのかわからないものを壊し続けるのはやめてください。」(セヴァン・スズキ)
「未来を予測する一番の方法は、未来をつくることである。」(アラン・ケイ)

熊沢直美氏プロフィール
チームラボ株式会社にて、Web ディレクターをつとめた後、「グリーンエコノミー」というテーマにひかれて「リオ+20」に関わり始める。 世界の人が、偏見を越えてつながりあっていける仕組みづくり、そのための情報技術や、グローバルに人・ものを動かしている経済の仕組み、美学や文化に関心を持つ。


2012年6月4日(月) 「リオ+20直前シンポジウム 未来を創るグリーン経済」での3人の子ども達のスピーチの様子はこちらから。


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